はじめに
就活の面接で必ずと言ってもいいほどあるのが面接官からの「何か聞きたいことありますか」「質問はありますか」という逆質問です。
この逆質問は、企業の情報を引き出す機会ととらえている人もいるのではないでしょうか。確かにそういう一面もありますが、実際は自分をアピールする機会の一つです。
私が思う逆質問でのポイントは、「会話をする」という点です。質問というと一方通行になりがちですが、それでは面接官の印象に残りません。
そこで本記事では、逆質問での対策・ポイントを質問例も交えて2パターン紹介したいと思います。
逆質問を準備していくパターン
一つ目の対策としては、面接前に逆質問する内容を準備することです。
これは大体の人がやっていると思います。なぜなら準備したものをそのまま言うだけで簡単だからです。これは非常に簡単ですが、十分効果があります。そこで、ここでは質問を準備するときのポイントを紹介します。準備の仕方一つで印象に残り、有効な質問をすることができます。
さて、皆さんはどのくらいの数の質問を準備しているのでしょうか。もちろん多い方が良いに決まっていますが、数よりも重視するべきことがあります。
逆質問を準備するうえで最も重視することは「パターンを増やす」ことです。
たまに10、20個質問を考えている人がいますが、実際に面接で質問できるのは多くても3、4個です。そのため、むやみやたらに質問を準備しても大半が無駄になってしまいます。
準備するのは、いくつかのパターンの質問で良く、少し変えることで大概の企業に対して使える質問になります。
私が準備していたパターンは、
- 働き方についての質問
- 経験を聞く質問
- 精神的な覚悟・心構えについての質問
- 将来性に関する質問
の4パターンです。
それぞれについて簡単に説明して、どのような意図で質問していたかをお伝えしたいと思います。
働き方に関する質問
ここで聞く働き方は、入社してからの具体的な業務やキャリアについてです。
間違えても「給料」「福利厚生」「有給取得率」などのくだらない質問はしてはいけません。なぜしてはいけないか、冷静に考えればわかりますよね、悪い評価を受けるリスクがあるからです。もしこれらが知りたければ、OB・OGに個人的に聞くなどしてください。
私が準備していた時に、良く聞いていた質問は以下のようなものです。
- 海外勤務についてお聞きしたいのですが、今後は海外での仕事は現地の人を採用した方が人件費も安く有効であると考えられますが、御社にて海外に行くチャンスはありますか。その場合、どのような業務にあたるのでしょうか。
- 御社において、将来のキャリアで採用時と全く違う職種で働く機会はありますか。例えば、営業や人事のような仕事に将来的には挑戦したいのですが、どうでしょうか。
このような形の質問をしていました。特に一つ目の質問は、ある程度の大手企業には大概使えました。
このような質問をする意図としては、質問を通して「海外でも働けます」「どのような配属や業種でも大丈夫」ということを伝えるためです。質問の回答などに対して期待はしていません。会話の一部として自分の考え方をアピールするための質問を意識していました。
経験を聞く質問
次のパターンは、面接官の社会人経験や業務経験を引き出す質問です。
私はこの質問で準備していたのは、以下の1つだけです。
- 今まで様々なお仕事をされてきたと思いますが、一番勉強になったという経験を教えていただけませんか
これだけです。
この質問をする意図は、相手に話させることで会話に持っていくということです。就活における逆質問は、YES / NO で答えられるものは避けた方が良いです。そこで、この質問をすると相手は積極的に話してくれるので、次の返しのためのネタを拾ったり、考える時間が出来ます。また、相手の話に共感して相槌を打ったり、肯定すると面接官の気分が良くなりプラスに働くこともあります。
この質問をするうえで注意してほしいのが、ある程度の経験がある年次の高い人にのみ使用するということです。経験のない若い人に質問すると逆に困らせることになるので気を付けましょう。
逆質問の時間が思ったより長いなと感じたり、ネタ切れの時の逃げの一手として頭の片隅に残しておくと、いざという時に助かる質問です。
精神的な覚悟・心構えに関する質問
私は、この質問は「何か最後に聞きたいことありますか」と面接の最後に聞かれたときに質問していました。
具体的に準備していたものは、以下の質問です。
- 御社で働くうえで、「これだけは覚悟しておけ!」ということはありますか
- 普段の業務で「これだけは意識している」ということがあれば教えていただけますでしょうか
これらの質問を最後にする意図は2つあります。
一つは、堅い面接だった場合に最後に、場を和ませて終わらせるためです。終わり良ければすべて良しということもあり、面接の終わり方は大切です。この質問をするときに上で「」で囲んである部分に感情をこめて質問すると、笑って答えてくれるなどいい雰囲気で終われることが多いです。私は、感情を込めることに加えて、身振り手振りででガッツポーズみたいなことをして質問してました(笑)
もう一つは、面接官が手短に答えられる質問をするということです。最後の質問ということは時間が迫っている、もしくはオーバーしているので、これ以上長々と話すのは空気が読めていません。本当に時間がない場合、一言で答えていただけるような質問を心掛けましょう。答えていただいた後も、「勉強になりました」「入社までに覚悟を決めます」のようにシンプルに肯定する反応をして終わりましょう。
将来性に関する質問
この質問は、企業のことを多少調べてから質問する必要がありますが、上手くはまると非常に印象が良く評価されます。
準備は難しいですが、質問は以下のような形です。
- 御社は今、○○という事業に力を入れていると伺いました。そこで私の専攻の○○は活かして仕事したいと思うのですが、携わるチャンスはありますでしょうか
- ○○という事業が主力と存じますが、今後もその事業を成長させていくのか、別の事業も視野に入れて多角的な戦略をとっていくのかお教えいただけますか
このように具体的な事業状況や将来の展望を聞く質問です。
この質問を準備していくには、企業のHPや報告書などで予習する必要があります。私は、「中期経営計画」などの資料から情報を収集していました。
この質問をする場合は、人事だけではなく、技術の方や役員クラスの人がいる場で質問しましょう。具体的な将来ビジョンを持っているのは本当の上の人と現場の人だけです。どの質問でもそうですが、相手が困ることを聞くのは避けるべきです。逆質問も会話であると考えてください。
この質問は、賢そうな印象を与えることができたり、企業研究していることのアピールになりますが、間違えたことを聞くリスクや最新の状況からズレる可能性があります。インターネット上で入手できる情報に企業の根幹となる重要な情報は無いことが多いですし、事業状況は日々刻々と変化しています。どれが正しい情報か判断する術はありません。
就活生がよくやりがちな質問ですが、想像以上に難しい質問ですので十二分に下調べしてください。
ここまで、4つの質問パターンを書いてきました。どうでしょうか。思ったより少ない逆質問の準備で乗り切れそうな気がしませんか。実際、初めに5,6個の質問を作ってしまえば大丈夫です。
私は、上述の4パターンで準備して、面接官や面接の内容を考慮して臨機応変に質問を使い分けていました。このパターンはどの企業にも使えますし、使いまわしもできるので覚えておいて損はしないと思います。
面接の中で質問を考えるパターン
就活の後半になると私は逆質問を準備することなく面接に臨んでいました。
では、逆質問はどう乗り越えていたかというと、「面接の中で質問のネタを見つける」ことで逆質問に臨みました。基本的に逆質問は面接の最後にあります。そのため、最後までの応答の中で質問する内容を決めていました。こうすることで、面接の全体が会話化して考えや思いがより伝わりやすくなります。
また、この方法の一番の利点としては「面接中に相手の話を集中して聞ける」ということです。短い面接の中で質問を考えるには、面接官のいう言葉の一字一句でも逃すと機会を失いかねません。そのため、集中して話を聞く姿勢が自然にできるため、面接全体の印象・評価が良くなるといった効果が得られます。
準備も不要で面接全体の評価も高くなるなら、面接中に考えるこの方法で最初からいいじゃんと思う方もいるかもしれません。しかし、多くの人が逆質問を準備する理由は逆質問が難しいからですので、この方法は失敗するリスクも大きいです。
上手く面接中に質問を考えるためのポイントとしては、上で書いた4つのパターンに当てはまるような質問を考えるということです。もちろん話をよく聞くことは大前提ですが、その中でもパターンがある方が質問を作りやすいです。面接では必ず4パターンの内どれかに当てはまるトピックスが必ずと言っていいほど出てきますので安心して話をしましょう。
これがうまくできると「逆質問が会話化」してスムーズな面接ができますし、面接が楽しくなってきます。人事の方が楽しそうに採用活動しているのは、相手の話をよく聞いて本質を引き出せる質問をしようと考えながらやっているからです。面接も楽しく気楽にやった方が、結果がついてくると私は思っています。
おわりに
面接も逆質問もビビるものではありません。準備・対策はできますし、何より何度か体験すると慣れてきます。
今回書いたポイントをしっかりとおさえて、自分自身で考えれば必ず良い質問ができます。面接でも質問でも、就活では自分に正直になった方が絶対に良いです。嘘をついたり、能力以上に背伸びして入った企業では、実際のギャップがすごくて続けるのが辛くなります。
就職後も楽しい人生を送るため、精一杯の準備をして就活を戦い切りましょう。